独自のIT経営推進により成長した企業戦略とは

ファッションと言えば、一昔前までは流行の発信地は雑誌やテレビといったメディアが中心でしたが、最近ではSNSなどのインターネットを通じて急激にブームが拡散していくことも珍しくなくなりました。そして服を買う場所も実店舗だけでなく、今ではネット通販でも様々な種類のものを購入することができます。女性向けアパレルブランド「GRL(グレイル)」を展開している株式会社Gioは、設立当初から商品の販売方法をネット通販に絞り、独自の戦略によって大きな成長を遂げた企業です。株式会社Gioが行ったネット通販の戦略とはどのようなものか紹介します。

従来、服を買おうと思えば販売店舗へ直接出向くか、もしくは通販でもカタログショッピングなどを利用するという方法が主流でした。しかし、インターネットの普及によりネット通販が広がると衣類も店舗に赴くことなくいつでもワンクリックで購入が可能になります。株式会社Gioが店舗販売ではなくネット通販を選択した理由には、女性ファッションのトレンドが移るスピードの速さに対応するためと言われています。流行が変わりやすい女性ファッションの中でも、特にその傾向が顕著な若者向けのファストファッションを取り扱う株式会社Gioにとって、流行のスピードに乗ることはブランドを展開する上で重要なことでした。市場のニーズを素早く汲み取り、若者の反応を感じ取るという発想はフリーマーケットから着目されたと言われています。株式会社GioはWEBサイトの更新を外部委託ではなく自社で対応することで、スムーズでタイムリーな更新をできる体制を実現します。株式会社Gioはこのような素早い情報発信ができる環境を整えただけでなく、若者が携帯電話やスマートフォンからインターネットにアクセスすることにも着目しました。そして、携帯端末に最適化させたページを作成したことも成長を支えたと要因になったと考えられます。

株式会社Gioはこのようにハードの面から運営体制を作り上げ、時代や若者世代のニーズに応えることでサイトの登録者数や閲覧者数を伸ばしてきました。しかし、商品を販売するにはブランドとしての知名度も不可欠です。そこで、人気モデルを登用して商品の着用イメージを消費者に与えることで、その商品の魅力をアピールすることも同時に行いました。こうしたイメージ戦略も功を奏し、グレイルというブランドは多くのファッションを愛する若い女性からの支持を得ていきます。今後もどのような戦略でファンを増やしていくのか、その手腕に注目です。